昔の記事のバックアップ 20140324
タイトルを読んだ時から嫌な感じがした。
20140324日経社説より
※【】《》は筆者加筆。
手続き論で【改憲を止めるな】
憲法改正の段取りを定めた国民投票法改正のめどが立ってきた。投票権を付与する年齢などの課題が解決せず、国民投票は事実上封印されてきた。【手続き論を盾にして改憲を妨げるのは邪道だ】。与野党は早期の法改正に向け、改正案づくりを急いでほしい。
与党と民主党は今月、法改正後2年以内に投票権年齢の20歳から18歳への引き下げを目指すことなどで一致した。日本維新の会やみんなの党との調整も大詰めを迎えている。主要5党で共同提案できれば今国会での法改正の実現に大きく前進する。
世界では投票権年齢は18歳とする国が多いが、何歳が正解と言い切れる問題でもない。各党とも合意重視で議論を深めてほしい。
憲法についての熟議を促すようにも無論読める。
記者もそう意図して執筆したのかもしれない。
が、憲法の熟議を促すように見せつつ、ある価値観の押し付けが感じられるのである。
記者の(あるいは新聞社の)暗黙の前提が、新聞としての「中立性」を担保しようとしつつも漏れ出ているように思われる。
(「中立性」はおよそ中立ではないが、ここでの主題ではないのでこれ以上言及しない)
暗黙の前提がタイトル、主張1,2に端的に現れている。
それは一言でいえば、「改憲すべき」である。
主張2の前提が、『一刻も早く改憲の土俵を整え』である以上、「改憲派と護憲派が正々堂々とがっぷり四つに組んだ憲法論議に期待」できない。『改憲の土俵を整え』ることは、「改憲しない」選択肢は事実上排除されるからである。
また、この主張の理由は
である。
ここで「恥ずかしい」「好ましくない」と思う主体は誰なのか。
主体を明確にしないことによって、一般的な感じ方であることを案に示している。
が、そこにはやはり「改憲しない」派の声は考慮されていない。
「現行憲法では国を守れない」というのが改憲の理由の一つであるが、その主張には説得力のある論拠が示されていない。ほんとうに現行憲法のせいで殺された国民、奪われた国土があるというのなら、改憲派にはそれを挙証する義務がある。でも、彼らは「この憲法では国を守れない」と言い募るだけで、「この憲法のせいで国を守れなかった」事実を一つとして挙げていない。
〜引用終了〜
論拠をあげず、そんな気がする雰囲気を作り出している。
新聞の報道を疑うことは疑いないことではあるが、それでも気鬱であることには変わりない。
とまれ自分にできることは何か。
発信し、賛否共に意見を受け入れること。
もって一人でも関心を持つ人を増やすこと。
そして自分のアンテナの感度をあげること。
まずはそこから。